「11月2日に緊急要請が出る」「大きな災害が起こるって本当?」という声が、Yahoo!知恵袋などで目立っていました。
結論から言うと、2026年11月2日は新しい行政機関「防災庁」の発足日で、防災庁は同日、「事前防災徹底のための緊急要請」を発出しました。宛先は、国民、地方公共団体、指定行政機関(各府省庁)の3つです。国民向けの文面は、防災大臣の細野豪志氏の名義で、防総政第4号として出されています。
私が確認した防災庁の公式ページには、特定の日時や場所の災害を予告する記述は見当たりませんでした。この記事では、11月2日に公表された公式の文面をもとに、国民向けの5項目を中心に整理します(公式ページ:防災庁「事前防災徹底のための緊急要請」)。
11月2日の緊急要請とは?公式の文面で確認できた基本情報
防災庁の公式ページで確認できた基本情報を、表にまとめます。
| 項目 | 確認できた内容 |
|---|---|
| 名称 | 事前防災徹底のための緊急要請 |
| 日付 | 令和8年(2026年)11月2日(防災庁の発足日) |
| 発出者 | 防災庁。国民向けの文面は防災大臣 細野豪志氏の名義(防総政第4号) |
| 宛先 | 国民/地方公共団体(都道府県知事宛。市町村に関する内容を含む)/指定行政機関(各府省庁の長宛) |
公式ページは、国家的な規模の災害では行政の力だけでは限りがあるため、個人も自分の身を守る備えをしてほしい、という趣旨で書かれています。
国民向けの要請は5項目|公式の文面を整理
国民向けの文面には、次の5つの項目があります。見出しは公式の表記のままです。
1. 家屋の耐震診断、耐震化、家具の固定
昭和56年(1981年)以前に建てられた住宅は、耐震診断を受けるよう求めています。家全体の耐震化の費用が大きい場合は、寝室や居間など、安全な部屋を1つ確保する方法も示されています。家具や家電は固定するか、置き場所を見直します。公式の文面には、固定していない家具は大地震で「必ず倒れると思ってください」という趣旨の強い言い方があります。

2. 水・食料、携帯用トイレ等の備蓄
備蓄については、次のように書かれています。
- 水と食料は、最低3日間、できれば1週間分
- 飲料水は、食事に使う分も含めて1人1日3リットルが必要
- 携帯用トイレ、ティッシュ、トイレットペーパーなどの生活用品も備える
- 普段使っているものを多めに買っておき、使ったら補充する習慣をつける
3. ハザードマップ、避難場所、避難経路の確認
自宅や職場のハザードマップを確認し、避難場所と避難経路を把握するよう求めています。公式の文面には、「揺れやすさマップ」や津波ハザードマップが例に挙がっています。
4. 非常持ち出し品の準備
必要な物をリュックなどにまとめ、玄関など持ち出しやすい場所に置くよう求めています。
5. 防災訓練への参加
地域の防災訓練に参加し、避難や安否確認、炊き出し、簡易トイレの使い方などを体験するよう求めています。文面は、災害時に近所の人と協力し合える関係をつくっておく、という呼びかけで終わっています。
備蓄はどれくらい?家族の人数別の目安

公式の数字は「最低3日・できれば1週間」と「飲料水は1人1日3リットル」です。この数字で、水の量を人数別に計算してみます。携帯トイレの回数は、公式の文面に1日あたりの目安が書かれていないため、一般的な自治体ガイドで多い「1人1日5回」で試算しました。
| 人数 | 水(3日分) | 水(1週間分) | トイレ(3日分・試算) | トイレ(1週間分・試算) |
|---|---|---|---|---|
| 1人 | 9リットル | 21リットル | 15回 | 35回 |
| 2人 | 18リットル | 42リットル | 30回 | 70回 |
| 4人 | 36リットル | 84リットル | 60回 | 140回 |
水の量は公式の数字による筆者の計算、トイレの回数は一般的な目安による筆者の試算です。実際の必要量は、年齢、持病、乳幼児やペットの有無で変わります。お住まいの自治体が公表している備蓄の目安も、あわせて確認してください。
食料は、加熱しなくても食べられるもの、普段から食べ慣れているものを選ぶと続けやすくなります。いきなり1週間分をそろえるのが大変なら、まず3日分から始め、少しずつ増やす方法で十分です。
地方公共団体・指定行政機関への要請(要点)
国民向けとは別に、自治体と各府省庁にも文面が出されています。公式ページの内容を、要点だけ整理します。
- 地方公共団体:都道府県に、市町村を含めた取組状況の点検と支援を求めています。防災人材の育成、支援を受け入れる体制、避難所の環境改善(トイレ・キッチン・ベッド・バスの「TKBB」を含む)、個別避難計画、帰宅困難者対策などが挙げられています。
- 指定行政機関:各府省庁に、業務継続計画(BCP)の見直しや、所管の企業・団体への事前防災の促進を求めています。年末の進捗報告などのフォローアップを行い、必要に応じて勧告権を使う可能性にも触れられています。
勧告権とは、防災の取り組みが十分でない省庁に対して、防災庁が改善を求められる権限のことです。細野大臣は10月26日のFNN系の番組で、この勧告権を「抜かずの宝刀にしない」と述べていました。
「大災害が起こる」は本当?公式の文面で確認できる範囲
知恵袋には、「11月3日に大きな災害が起こるから1週間分の備えをしろと言われた」という趣旨の質問も出ていました。不安になる気持ちは自然です。
私が確認した国民向けの公式の文面には、特定の日時や場所の災害を予告する記述は見当たりませんでした。公式ページは、千島海溝、日本海溝、首都直下、南海トラフの各地震や富士山の噴火など、起こることが懸念されている災害を挙げていますが、時期の記載はありません。また、文面にはAIや戦争、うわさへの言及もありません。
地震などの発生日時をあらかじめ特定して知らせる方法は、現在の科学では確立されていません。「○月○日に大地震が来る」という話は、出どころが公的機関でなければ、信じて拡散しないのが安全です。不安なときは、次の3点を確認すると落ち着いて判断できます。
- 情報の出どころが、防災庁・内閣府・気象庁・自治体などの公式発表か
- 「らしい」「と聞いた」という伝聞だけになっていないか
- 日付と場所を断定していないか
今日できる備えの始め方|まずは3日分から
- 家にある水・食料・トイレ用品が何日分あるかを数える
- 足りない分を、普段使うものから少しずつ買い足す(使った分を買い足す方法なら、古くなりにくい)
- 携帯トイレは使い方を一度確認し、家族の人数分を確保する
- 家具の固定と、ハザードマップ・避難経路の確認を、備蓄と一緒に進める
- 備蓄の置き場所と非常持ち出し品の場所を決め、家族で共有する
なお、備蓄を一度にまとめ買いしすぎると、店頭で品薄を招くこともあります。必要な分を、無理のない範囲で用意することが大切です。
まだ分からないこと|今後確認したい点
11月2日時点で、公式ページから確認できなかった点を整理します。
- 要請に法的な強制力があるのか(国民向けの文面には、法的な根拠や罰則の記載は見当たりません。自治体・府省庁向けのフォローアップの詳細は、各文面で確認が必要です)
- 自治体や各府省庁が、年末までにどのような報告を出すのか
- 今後、備蓄の目安などの案内が追加・更新されるかどうか
最新の内容は、防災庁の公式ページで確認してください。この記事も、公式の更新があれば反映します。
まとめ|緊急要請は備えの徹底の要請、確認は公式発表で
- 11月2日、防災庁は「事前防災徹底のための緊急要請」を、国民・地方公共団体・指定行政機関の3つの宛先に出しました
- 国民向けは5項目です。耐震診断・家具固定、水・食料・携帯トイレの備蓄(最低3日・できれば1週間/水は1人1日3リットル)、ハザードマップと避難経路の確認、非常持ち出し品、防災訓練への参加です
- 確認した国民向けの文面に、特定の災害を予告する記述はありません。日時を断定した話は、公式発表かどうかを確認しましょう
備蓄は、今日から少しずつ始められる備えです。まずは自宅にある水と食料が何日分あるか、数えてみてください。
よくある質問
Q. 緊急要請に従わないと罰則はありますか?
A. 私が確認した国民向けの公式の文面に、罰則の記載は見当たりませんでした。文面は「あらためて徹底するよう要請します」という形で、備えを求めるものです。
Q. 1週間分を用意できない場合はどうすればよいですか?
A. 公式の文面は「最低3日間、できれば1週間分」という書き方です。まず3日分を目標にして、余裕ができたら増やす方法で問題ありません。








